| 橋本教会信徒 和田千春 橋本教会の庭も、木々は芽を出し、花を咲かせています。自然も人間の気持ちも再生していく気配を感じられます。 しかし、東北地方で起こった津波の被害を、テレビで見るたびに心がいたくなります。「この状況をマリア様がご覧になったら、きっと涙を流されているに違いない。」「なぜ神様はこのようなことを起こされるのか。」と未熟な私は、ふとこんなことを思ってしまいます。 私の人生の中でも「なぜ、神様はこのようなことを起こされるのか。」と思った場面が多々ありました。特に（以前にも巻頭記事に書きましたが）子供の不登校・反抗に心がザワザワしました。その当時の子供の状況から、私の妄想はふくらみ、子供の将来は暗く悲惨なものと決めつけていました。考えれば考えるほど、私の妄想は悪いほうへ悪いほうへと進んで行き、家族全体が沈んでいきました。その後、周りの人々の支えで親子共々成長させていただきました。時間がかかりましたが、親は自分が持つ幸せの価値観という“ものさし”を横に置き、子供を“ありのまま”に受け入れる覚悟ができたところから事態は動き始めました。おかげ様で、その子供もこの春から社会人として一歩をふみだすことができました。不安にさいなまれていた過去の私が、今の子供の状態をみたら「奇跡」が起こったと感じるでしょう。 20年30年後の日本を思うとき、明るい未来を描けません。どうなるのだろうという不安を感じずにいられません。だからこそ おそれ・不安・悲しみ・失望・焦り等の負の感情を手放し、神はわたしたちをよい方向に導いてくださるということを信じていけば奇跡がおこるのではないでしょうか。 そして、今回の地震であまりにも失ったものが多く悲しみに沈む私たちは、「復活」｢永遠の命｣という信仰から、勇気をいただき、 「神はわたしに、この地震で何を語ろうとされているのか？」 「わたしは何をしていけばいいのだろうか？」と自分に問い続けながら日々歩いていけば、光が見えてくるかもしれないとも思っています。 |