| 堺ブロックチーム 高野利雄神父 新緑の五月、姫路の聖母奉献会の初誓願式に参列させていただきました。その節、両親がヴェトナムからかけつけておられた。ご自分の大切な娘さんを奉献する喜びの表情をみて、ご自身が画かれた幼きイエスを神殿にささげる絵と重ね合わせながら…奥深いものを感じさせられた。 何ごとにおいても、自分との関わりにおいてでなければ、関心をもつことはない。ほんとうの幸せを感ずる秘訣は、“わたしのために”ということばの中にある。 日曜日教会ミサの奉献において、“あなたがたのために”ということばを聞いている。しかし、聞きながしていることが多い。自分の今の生活が順調であれば、“あなたがたのために”ということばのなかに、ほんとうの幸せと生きるいのちの道があることに気づかないことが多い。今の生活が苦しくなり、身体的に不調に落ちると、事情は変わってくる。 エマオの弟子たちは、イエスが苦難の道と復活の墓を見ても、疑いと闇の心に聖書の話に耳を傾けていても、閉ざされていた。人間の心の根深さとこだわりを思い知らされる場面である。イエスとの関わりの存在の秘儀を悟ったのは、イエスがパンを取り、裂き、お渡しになったとき、はっと、二人の目が開かれて、最後の晩餐のイエスだとわかったと。 人間の側から、あれこれと詮索し求めたものではなく、神の側からの働きかけによって、開かれた新しい交わりを与え、そして受ける交わりであることに気づかさせられたのである。（ヨハネ１章 同１４章）その関わりは、今の教会の原点である。 生きるいのちの人間存在は、はかり知れない摂理の神のわざ“天は神の栄光を物語り、…その響きは全地にその言葉は世界の果てに向かう。”（詩編１９章 詩編８章、）ということばに秘められたことばにあることに気づき、感謝のうちに神の秘儀に生きるのである。 ミサに招かれた者は、幸いとは、何のために。“あなたがたのために”、主が愛してくださるためである。主イエスはわたしたちが永遠に生きることを望んでおられるからである。わたしたちは神の愛の実りとして生まれ育てられ、まだ生まれていない子どもたちへ伝えられ、共に多くの人と分かちあうことにある。何と尊い、永遠の愛、天の恵みであることよ。 |
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