今年もまた待降節を、まじかに迎えようとしています。ご存じのように、待降節は、教会歴の新年です。新しい年が、私たちにとって実りの多い年でありたいと思います。昨年から始まった信仰年も、この月末で終了します。何か実りがありましたか　？　各小教区で、色々の取り組みがなされました。どれだけ今その実りを収穫できますか　？　「たいして変わってない」が、私を含めて多くの方々の思いではないでしょうか　？　毎年の決意も、なかなか実行・実践できないのも現実です。たしかに、毎年の決意が、実行・実践されれば、この世が、天使たちのような世界になり、人間くささもなくなり、自由意思による決断・努力・失敗もなくなり、永遠の命への希望もなくなったものになるかもしれません。神様は、わたしたちに、悪戦苦闘しながらも一歩一歩前進することを望んでおられるように思えます。

　先日教皇フランシスコは、聖フランシスコの地を訪れ、わたしたちも聖フランシスコに倣い、「脱衣」の必要性を訴えられました。第２ヴァティカン公会議での変革、５０年後の信仰年での振り返り。私たちは、旅人として、常に目標に向かっての歩み方と探し求め、神の呼びかけによりよく応えることができるように、日々心を新たにして励んでいます。「変わりなさい」と、神様や教皇様は呼びかけておられます。どんな立派な呼びかけも、私たちが、「変わろう」とする気がなければ、むなしい銅鑼の響きにしかすぎません。笛を吹いたのに、踊ってくれなかった悲しさが思い出せます。弱い私たちですが、聖フランシスコや教皇フランシスコのように、自己中心的な私・不正義に無関心な私・貪欲な私・地位や名誉や権利や評判のみを大切にする私の衣を、勇気を持って脱ぎましょう。「変わりなさい」との呼び掛けに、「変わります」と応えることができるように、努力を決意し、勇気と支えを祈りましょう。

　新しい教会歴年が、実りの多い年でありますように。