聖 霊 降 臨 に 想 う
| 金剛教会 笹 瀬 孝 夫 主の御復活祭も過ぎて、喜びと希望のうちに復活節を過ごしている。今年の復活祭は４月20日だったので、聖霊降臨は６月８日になる。聖霊降臨の主日のミサの第一朗読は、毎年同じ箇所が宣言される。使徒言行録２章の1～11節である。「五旬祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると、・・・ 。」聖霊降臨の劇的な瞬間である。 キリストのご昇天後、約束された聖霊を待ち望んで祈っていた弟子達の気持はどうだったろう。人間的弱さに負けずに期待する複雑な気持だったかも知れない。然し、復活されたキリストが彼等の前に度々現れ、言葉を交わされ、一緒に食事もされたのだから、約束された聖霊は必ず来られる！と確信していたに違いない。聖霊降臨により、使徒達は戴いた霊により一変した。三位一体の神の霊が彼等の生命に入り、彼等は、キリストの死と復活の証人として、心を一つにして、歓喜のうちに確信をもって、命がけで宣教活動を開始したのである。 聖霊降臨の日は、教会の誕生日である。この日から２千有余年の聖霊の助けによる働きで我々は生かされている。初代教会から今日まで、教会は苦難の中で、十字架のキリストの名を叫び、喜びのうちにキリストに続いた多くの殉教者、彼等の切り拓いた道の先に我々がいる。 キリストの復活を、ヨハネによる福音書は次のように述べている。「その日、即ち週の初めの日の夕方、弟子達はユダヤ人を恐れて、自分たちのいる家の戸に鍵をかけていた。そこへ、イエスが来て真中に立ち『あなた方に平和があるように』と言われた。・・・イエスは重ねて言われた。『あなた方に平和があるように。父がわたしをお遣わしになったように、私もあなた方を遣わす。』そう言ってから、彼らに息を吹きかけられて言われた。『聖霊を受けなさい。誰の罪でも、あなた方が赦せば、その罪は赦される。・・・』。」（ヨハネ20章19～23節） キリストが復活されて弟子達に会われた最初のみことば、「あなた方に平和があるように」。キリストは自分を裏切った弟子達を咎めず、弟子達の心の中に平和がある事を望まれた。【主の平和】とは？ 私は想う。自己の回心と他者への許し、他者を自分の様に愛して、受け入れ、謙遜・忍耐し、何時も主と共に祈り、何事にも感謝して、すべて主に委ねる事である、と。聖霊に頼らなければ、人間には愛の完成はない。 キリストは、言われた。『私は、道であり、真理であり、命である。』（ヨハネ14章6節） 『疲れた者、重荷を負う者は、誰でも私のもとに来なさい。休ませてあげよう。あなた方は、安らぎを得られる』（マタイ11章28～29節） |