神はいないのか
| 金剛教会信徒 八田 勝 昨年教会で、悲しい出来事があった。あるメンバーが病気で突然亡くなった。勿論、今の医学では事故以外は病院で診察を受ければ、余命さえ分かる時代。残念ながら彼女は、地上の生涯は知らされていたそうだ。この非情な宣告を聞いたら人はどうなるだろう。生前、東日本災害の時に彼女は、「社会活動部」のリーダだった。フクシマから発信されるSOSに、金剛で何ができるか？彼女はその時、「緊急支援物資」を集めて送る事を提案、実行した。それは、マザーテレサが言った「大切なのはどれだけ沢山の事をしたかでなく、どれだけ心を込めたかである」彼女の心を込めたフクシマへの思いと熱意が、金剛信徒のみならず、他の職場の支援も得る大きな輪になり、信じられない献品の量となった。なんと荷物を送る、「宅急便屋」さんさえ、仲間に呼びかけ物資を提供してくれた。私は「神が彼女を動かしている」としか思えなかった。心を込めた、相馬、楢葉、富岡、大熊、双葉、浪江の人々への支援を、マザーは「金剛がNo1だよ！」と言って認め、後から来た彼女を抱きしめ慰めているだろう。 8/23日。暑い夏、大勢の人の祈りもむなしく、彼女は愛する家族や友人達をのこし天国へ旅立った。３名の司祭による破格の式。通夜、告別式。聖堂からあふれる参列者。通夜ですすり泣く、親戚でも、信徒でもない数名の婦人を見て、「いったいこの人は何者だったのだろう？」ラザロの死を蘇らした主が「ミドリよ、起きなさい！」となぜ助けにきてくれなかったのか。神はいないのか？旅立ちの寸前まで、教会の役目を案じていた。病気や苦しみの辛さを、口にしなかつた、それに何より神を信じ信頼していた。別れの時、私は棺にそっと手を触れ「ありがとう、辛いのによくがんばったね」心の中でつぶやいた。信心浅い私は、彼女の生涯をみて心が少しグラついた。 時々、家族ぐるみで食事をする機会がある。教会の友達なので、酔えばいつも話題は「神の存在！」「死後の世界」「三位一体」「処女懐胎」などで、喧々諤々の争いになる。親友と私anti god対信じる長老、女性群。友が、長老の屁理屈に負け、助けを求めて「八田さんは神の存在や死後の世界はどない思いますか？」私の答えは〇〇だ。 だが私には理解出来ない疑問がある。先ほどの金剛の友、マザーテレサのように神を信じ生涯を終えた人や殉教者は大勢いる、それに長老や女房、多くの信徒は、どんな理由を持って信じているのだろう？だが神学・形而上学VS現在の科学・数学の観点からすれば明らかに答えがでる。もし、小保方さんが信徒で「神様はいます！」と言ったとしてもそれを科学的に証明しなさいと言われればどうなるだろう。神学的論争でなく哲学的論争になり、答は出ないのだ。だがプラシーボ薬（偽薬）でも病気を治せる。私は教会が好きだ。プラセボ効果を信じるから。 |