| 橋本教会 時田 香 「宗教とは何か、神とは何か」という話を巷のメディアでよく耳にします。キリスト教徒の多い欧米などでは信仰は人生の根幹であり、生きる上での価値観であるように見えます。 イスラム社会では人生そのものが、信仰によって支えられているようです。 私たち橋本教会は、小さなカトリックのコミュニティですが、日曜日のミサ集会の中で同じ地域の方々と共に神を称えて心を一つにできる機会があることに、人生における大きな価値を見出しています。多くが年配の方々、フィリピンなど海外から日本に移住された方々で占められるのですが、これからの橋本教会の中心になってもらう若い子供たちも確実に育ってきていることに希望を見出しています。私たちにとって、信者の数や年齢や経済力よりも、この教会に集う人たちの崇拝する「主」が同じであることが最も大切です。私たちは信仰を通して、主と共に生き、互いに繋がっていくことの大切さを実感しています。 私たちにとって小さな教会であることが必ずしもデメリットではなく、みんなが顔を覚えて頻繁な会話があって、いろんな悩みや困難を共有していけることは、主から与えられた恵みであると考えています。この先、所属する信徒数を増やしていくことや教会を維持していく経済的な問題、教会を引っ張っていくリーダーの後継者など幾多の課題がありますが、常日頃から堺ブロックの各教会をはじめ世界のカトリック教会の中の家族として支えられていることを実感出来て、とても勇気をいただいています。そして、何よりも私たちには目に見えない神の存在を身近に感じることで信仰への強い絆を持つことが出来ています。 私たちは、なるべく沢山の人にこの田舎の小さな教会に足を運んでもらいたいのです。ここには大きな教会には感じにくい信仰の根幹になる重要な力が存在しています。継いできた歴史もあります。私自身はこの教会に来て長くはありませんが、この教会を広く知っていただきたいと強く思うようになりました。それは、このような地方のキリスト教とかけ離れたように見える地にこそ信仰が根付かなければならないと思うからです。信仰は、神と繋がり私たちの暮らしを支えていますが、教会もまた私たちを支える大切なところであると思えるからです。神をそばに感じて生きることの素晴らしさを多くの方々に伝えたいと思います。 世間では、頻繁に勧誘してくる教団などが存在して、キリスト教に対する偏見もあることは事実です。だから、教会の信徒が積極的に宣教活動をしないのはそういった理由かもわかりません。しかし、教会を支えて次世代につなぐためには、私たち信徒も積極的にこの素晴らしい信仰を誇りを持って多くの人に伝えていくことが大切と考えます。 |